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テキストサイト大全

釜本 雪生 , くぼうち のぶゆき
ソフトマジック
2002/07
単行本


「新時代の町人文化」とオビに書いてあったのが印象的で購入しました。実のところ最近のテキストサイトについてはまるで詳しくないので、自分が町人と認定される日は遠いみたいです。もっと色々な面白サイトに出会っていきたいですよ。

知ってるサイトも幾つかあったんですが、こうして羅列されるとそれぞれの個性がいっそう浮き出るもんなんですね。

それにしても。自分がテキストサイトを見始めてから二・三年しか過ぎていないはずなのに。この感慨深さはなんなんだろう。
もうひとつのMONSTER―The investigative report (Big comics special)
もうひとつのMONSTER―The investigative report (Big comics special)

ヴェルナー・ヴェーバー、浦沢 直樹、長崎 尚志
小学館
コミック




本編最後に収録されている絵本は大変難解な内容ですので、本編を全て読まれてから読まれることをお勧めします。

こう書いてあったら、大漁に本を買ってきてどれから読もうかと悩んでる時は、まっさきに絵本から読み始めざるをえないというものです。

その名も、『めざめるかいぶつ』

読み終えた感想。「これは……?」

そして『MONSTER』の最終回をもう一度読みなおし。そして絵本を再読。

再読の感想。「これは……!」

さて、本書を読み始めるとしますか。



※2010/01/02追記

絵本部分だけ、別書籍として販売されました。



『めざめるかいぶつ』も含めて、『MONSTER』作中で重要なキーとなる物語ですので、更に楽しみたい方は必見です。
夢の樹が接げたなら (ハヤカワ文庫JA)
夢の樹が接げたなら (ハヤカワ文庫JA)

森岡 浩之
早川書房
2002-03-15



一読した後、あまりの衝撃にいつまでも忘れられない作品。

脳みそに何かを刻み込む、という表現では生易しい。

脳みそがえぐられるほどのショック。

そういう作品に貴方は幾つ出会えてきただろうか。貴方が生涯のベスト5に入れる短編として、必ず入れる作品は何だろうか。

僕は『匣の中の失楽』という推理小説界の歴史に残る作品を残している、竹本健治氏の『閉じ箱』という短編集に収録されている『恐怖』という話を選ぶ。

とても短いので15分以内には読了できてしまうと思う。だから気軽に読んで見て頂きたい。読んだ後は気軽な気分にはなれないでしょうけれど。

そしてもう一遍、選ぶ作品がある。雑誌で発表されたのみで、今まで短編集として編纂されていなかったため、薦めても誰も読めなかったのが悔しかった*1、遂にこうして薦めることが出来て嬉しい限りです。

その名は『スパイス』。森岡浩之氏の作品だ。今では『星界の紋章』の作者としてメジャーとなった感が強いが、僕にとっては一生、あの『スパイス』の作者だ、という認識のままだろう。これからは短編集『夢の樹が接げたなら』の作者として認識する人も出るかもしれない。

この書籍で語られる話は、どれもこれも自我を揺さぶる。言葉という脳内電位差の分布、所詮は複雑なだけのシナプスの結びつき。それらを通し。コギト・エルゴ・スム。そんな言い訳さえも。
  • 注1 : まあSFマガジンの93年の6月号、と言われて直ぐに読める環境の人なら、既に読了している気もするが。


猿の夢を僕は。

その日見た夢の事は決して忘れられない。

僕は猿を見ている。ひょっとすると僕自身が猿で、それを外から見ているのも僕なのかもしれない。しかしそれを確かめる術はない。あるとしたら、自分の意志で決め付けるくらいだろう。あたかも、今から振るダイスの目を決めるかのように。

猿はラッキョウの皮を剥いている。食べるのではなく、ただ剥き続ける。しかし手段が目的だとは限らない。この場合も、そう。猿はラッキョウの皮を剥きたいのではなく、中身が知りたいからラッキョウの皮を剥いているのだ。

だから猿は(僕は)皮を剥きつづける。そして皮は小さく小さく、微小になる。そして僕は(猿は)最後の皮を剥く。

すると「世界」が剥けていた。


そこで目が覚めた。『2001年宇宙の旅』を見ていなければ、決して瞼の裏に写らないような映像だった。そう思うと苦笑する。二重の意味で。だって余りにも分かりやすすぎるじゃないか。徹夜でとある本を読了した後の夢なんだから。夢がいつもこれくらい単純だったら、人はそんなに苦労しないだろう。そして面白がることもないだろう。

ジャンルを分けて安心したいのであれば、推理小説という枠組みに入れてみよう。全体の作りとしてみると確かに、事件が起こって、事象について推理が行われ、最後に犯人とトリックを当てておしまい、という事も出来る。それゆえにワンパターンだという見方も出来る。そういう視点から見るのであれば(否定はしない。肯定もしないが)。

しかしこの小説は新しい。今までの「理系の小説」と言われたものとは明らかに違う。専門用語を的確に説明している、ただそれだけにすぎないものとは明らかに違う。ここには理系的な思想が存在する。

情報処理ときいて、情報を増やす分野だと思ってしまう勘違いは意外にしがちである。だが、実際には情報をまとめあげ、効率をよくする分野である。情報を増やすのではなく、捨てるのだ。

数学と聞いて、物事を難しくしてしまう分野だと勘違いするのも往々にして、ある。しかし実際には公式をより簡単にするのが目的だ。分母と分子の同類項をスラッシュで消し去る瞬間、ここに全てが集約されている。そしてコンパクトになった公式というものは、それだけで何百という言葉を連ねるよりもシンプルに真理を語る。

だからといって、これらの作品を読むのに構える必要は決してない。素直に楽しめる、極上のエンターテイメント。先の展開が気になって、ついつい夜更かしをしていたら、いつのまにか朝日の眩しさに驚く。あの至高の時を是非、楽しんでほしい。

小説を読む事は、漫画を読む時の面白さと違う面があると思う。

読む事により、脳という自分の小宇宙の中に絵が描かれる。その絵は決して他人のそれと同じにならず、自分の今までの辿ってきた人生により変化する。同じ小説を読んだからといって、同じ人間が読んだからといって、同じ絵が描かれるとは限らない。そこが面白い。

僕がシリーズ最終作を読んだ時、描かれた絵。

巨大な万華鏡。

極小と極大、絶対と相対、という矛盾を同時に含有するキュビズム画。

果てしない果ての向こう、更なる果ての見える曼荼羅。

そしてもちろん、世界を剥く猿。


皆さんは、この小説を読んで、どのような”絵”を描かれるのであろうか。
祈りの海
祈りの海

グレッグ イーガン,山岸 真
早川書房
2000-12-25



無職になってからも、敢えて大きな図書館や大きな書店には近づかないようにしていました。毎日入り浸りそうで恐くて。それはあたかもネットゲームにはまってしまうかのように。しかし最近は色々考えるところがあって、本日は自転車で一時間近くもかけて市立図書館に行ってまいりました。青空のもと、大濠公園の湖のほとりをのんびりと寄り道しながら。なんて贅沢なのでしょう。

久しぶりに来る図書館はまさに天国。工学部に入ったのになりたい職業は図書館の職員だったのをまざまざと思い出しました。色々見て回ってると、自分が所有しているハードカバーの小説が、文庫落ちして図書館に並んでいるという事実に直面してしまいます。特に『エンディミオン』。就職活動の合間に読もうと思っても、余りのその分厚さゆえに読めずにいたのですが、文庫化されて貸出しOKとはこれいかに。借りてしまいたい衝動を押さえるのに必死でした。

なんとなくさらにぶらぶらしていると、ゲームのコーナーにて、ビリヤード解説本の横に『クソゲー白書』『悪趣味ゲーム紀行』が仲良く並べておるのを見て、とてもとても複雑な気分になったので間にビリヤード本を挟んでおきました。なんとも緩やかな気分。なんとも緩やかな日常。そう、この時までは。

そしてなんとなく書籍検索のところにきて、まるで期待せずにとあるキーワードを打ち込んだら……待ち望んでいた本が既に存在していました。しかも初版を見たら2000年の12月20日。2年ちかく見逃していたとは……

とある雑誌に掲載され、それから単行本を10年近く待ち、あまりにも長く待ちすぎて記憶の奥底にしまいこまれていた、しかし無意識に捜し求めていた相手との再会でした。その相手がグレッグ・イーガンの短編集、『祈りの海』です。

「SFが読みたい!2002年度版」 が選ぶベストSF海外版本年度1位。

ヒューゴー賞受賞。

ローカス賞受賞。

星雲賞受賞。


といった事実は僕にとってはささいなことだ。これがグレッグイーガンの短編小説集だ、という事実に比べれば。

一気に読み終わるのがもったいなく、一日一篇ずつ読み進め、そして最後の一篇だけとなったある深夜。夜明けも近く、よく晴れていて、そんなに寒くも無い。そして、出発。文庫本一冊のみを携えて海辺に立った時、ちょうど夜明けが迫っているところでした。

おもむろに近くの岩場に腰掛け、最後の一篇、本書の題名にもなっている短編「祈りの海」を読み始め、ちょうど朝焼けが始まった頃に読み終えました。タイトルから勝手に感動作だと想像し、感動的な夜明けと共に読み終えようと思っていたのですが、実際にはそうはなりませんでした。

何とも苦い、ハッピーエンドとは言い難いものがあった。それなのに、遥か遠くの水平線を見ているかのような突き抜けた感覚をもたらす読後感。そして目の前には本物の水平線、そして世界の終わりのような朝焼け。

この時の奇妙な感慨深さは、今の僕の持つ語彙では表現できそうにありません。たぶん息絶えるその瞬間になっても、その語彙は見つからないでしょう。
まだ感想を書いてないタイトル一覧。記事を書いた作品はタイトルを消していこうと思います。

【 あ 】
アインシュタインの夢
悪童日記
アヌビスの門
雨の日はいつもレイン
雨の檻
生ける屍の死
異邦の騎士
ヴィーナスシティ
嘘、そして沈黙

【 か 】
カエアンの聖衣
ガダラの豚
グラスハンマー
くるぐる使い
黒い家

【 さ 】
殺人鬼
殺戮に至る病
サラマンダー殲滅
サンティアゴ
時間衝突
新興宗教オモイデ教
神曲法廷
人獣細工
真珠たち
スティンガー
世界の名刺コレクション
占星術殺人事件
象と耳鳴り
ソリトンの悪魔

【 た 】
第三の嘘
タイムリープ
たのもしき日本語
沈黙の教室
時の果てのフェブラリー
ドクターアダー

【 な 】
泣き婆伝説
夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)
七回死んだ男
肉食屋敷
二重螺旋の悪魔
猫のゆりかご
眠りの牢獄
脳男

【 は 】
ハイペリオン
ハイペリオンの没落
ハサミ男
puzzle
緋色の囁き
火蛾
薔薇の名前
ふたりの証拠
ブードゥチャイルド
ブラックエンジェル
フリークス
ホッグ連続殺人

【 ま 】
ミレニアムヘッドライン
名探偵の掟
眩暈
メルサスの少年

【 や 】
ユービック
UFOと猫とゲームの法則
よもつひらさか

【 ら 】
リプレイ
ルドルフォ
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