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通院からの帰り道、なんとなく書店を歩いていたら「ネタバレされる前に読んじゃいましょう!」と店頭ポップがあったので、それもそうかと購入してみました。

屍人荘の殺人
屍人荘の殺人

今村 昌弘
東京創元社
単行本




世の中にはいろいろなネタバレのラインがあるようで、人によってどこまでバラしていいかは悩みどころだと思います。自分の場合、世間一般よりネタバレには敏感な方で、ツイッターアプリのミュート機能などを駆使して、出来る限り前情報をなくしてあらゆる作品に接するようにしています。

久々に電子書籍ではなく紙の書籍でミステリーものを購入したので、油断せず、基本に忠実にネタバレ防止作業を行いました。もう購入してるんだから、これ以上余計な情報はいらないのじゃよ〜

それでも町は廻っている7巻

ここまでやる性分なんですけれど、本作の感想をネタバレなしでツイートした時、もう少しでネタバレしそうになってたようなので、やはりネタバレへの配慮は難しいですね。

これ以上書くとどこがネタバレに繋がるか分からないので、いつものように要クリックでネタバレ満載の感想を書きます。



とりあえず前情報なしで読んでもらいたいですね。綾辻行人氏といった新本格派ミステリーを読まれた方であれば、この作品の魅力が伝わりやすいんじゃないかと思います。
東京結合人間
東京結合人間

白井 智之
KADOKAWA/角川書店
単行本
2015-09-30



日本製のいわゆる新本格派ミステリという代物は、とにかく人を驚かせることに注力して、世界中でも独自の進化を遂げたガラパゴス的書籍群だと思います。もう行き着くところまで行ってしまい、これらを読み慣れた読者はそう簡単には驚くことができない体に魔改造されてるのではないでしょうか。

こういう現状を打破するために作中独自ルールを用意する、という流れもありますけれど、本作を読了した結果、まだ人を驚かせる余地はあるのだなぁ、と唖然としました。ここまでやるか、と。

男女が物理的に結合して、目が四つ、手足が各四本ずつの結合人間と化すという世界でのミステリー。こう聞くだけでうわぁと思う人も多いかと思いますが、実際に読んでみたら想像以上にグロいというか気持ち悪くて、人によっては絶対に受け付けないと思います。序盤からインモラルの限りを尽くした猥雑な描写に溢れてるので、いきなり買わずに冒頭の文章で耐えれるか試してからの方が無難かと思います。

中盤まで読んでて「ミステリーのつもりで手にしたけど、勘違いだったのか?」と思い始めた矢先に意外な展開になり、そこからは奇妙な推理が始まって、実は生粋のパズラー気質な作家さんだったのだなぁと感心しました。詳しくは述べませんが、読了後はSAKATAMさんの書評を是非読んでみてください。いろいろな意味で圧巻です。

「鬼畜系特殊設定パズラー」という称号にふさわしい、確実に人を選ぶSFミステリー小説の極北だと思います。
know (ハヤカワ文庫JA)
know (ハヤカワ文庫JA)

野崎 まど
早川書房
文庫




前情報を何も知らずに読んだので、いつもの野崎まど氏の軽快な文章は鳴りを潜めていて、ハードSF的な流れで話が進んでいくのに驚きました。

とはいえ文章が読みにくいというわけではなく、むしろハードSF的な話の中ではかなり読みやすい方だと思いました。今まで読んだ著作はすべてライノトベルという形式で出版されていたので、情報量を少なめにしたり、ユーモアを多めにしていたのかな、と。

本作では少しビターで斜に構えたような描写が多めで、くすりと笑えるようなところは敢えて無く、今までの野崎まど氏の魅力だった点とは少し違っていたのですが、情報の流れやそれを覆う社会といった描写などが秀逸で、先が気になる構成も手伝い、読み耽ってしまいました。常人を超えた存在を描く手法が、相変わらず冴えわたっています。

「知る」という行為がどこに行き着くのか。終盤ではSFでいうところの「センス・オブ・ワンダー」が十分に味わえ、さり気ない表現で世界の変容を感じさせてくれる点も、さすがの文章力だと感心しました。

やはり野崎まど氏はかなりのSF者だと確信しましたので、次はアニメ『正解するカド』を楽しもうかと思います。
2
大変面白かったです。

野崎まど氏といえば、飄々としたユーモアのある文体を楽しんでいたら、いつの間にか肋骨の間に冷たい刃を差込まれるような展開が待ってるあたりが魅力的なんですが、本作はそんな氏の集大成かと思います。出版社的にはライトノベルというジャンルに属している風であり、文体もライトノベル寄りと言えなくもないのですが、一般的なライトノベルとはかなり趣が違いますね(とても良い意味で)。

これで締めくくりたいくらいなんですが、せっかくなので未見の方向けにあえてオススメの読み方を記載しておきます。勝手にからあげにレモンかけて差し出すような愚行と言えなくもないですが、絶対にその方がおいしく召し上がれるから!と声を大にして言いたい(特に過去の自分に言ってます)。

2 (メディアワークス文庫)
2 (メディアワークス文庫)

野崎 まど
アスキーメディアワークス
文庫
2012-08-25



あんまり言うとネタバレになるので深くは言いませんが、できれば『2』を読む前に、下記5作品をこの順番で読んでおきましょう。

『死なない生徒殺人事件』
『舞面真面とお面の女』
『小説家の作り方』
『[映]アムリタ』
『パーフェクトフレンド』


舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫)
舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫)

野崎 まど
アスキーメディアワークス
文庫



小説家の作り方 (メディアワークス文庫)
小説家の作り方 (メディアワークス文庫)

野崎 まど
アスキーメディアワークス
文庫
2011-03-25


[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)
[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)

野崎 まど
アスキー・メディアワークス
文庫



パーフェクトフレンド (メディアワークス文庫 の 1-5)
パーフェクトフレンド (メディアワークス文庫 の 1-5)

野崎 まど
アスキー・メディアワークス
文庫
2011-08-25



順番もさることながら、できるだけ読んだ記憶が残っている間に読破していったほうがよいです。同じ作家さんを一気に読むともったいないから……と敢えて数年かけて読んだ結果、ほとんど内容を忘れてて『2』を読んで、本来味わえる衝撃を存分に楽しめなくなったら、非常にもったいないと思いますので(特に過去の自分に言ってます)。

あと、本作の裏表紙のあらすじ、けっこうネタバレに近いことが書いてあるので、それすら読まずに手を付けたほうがいいです(この点に関しては、過去の自分は失敗しませんでしたが)。

これから野崎まど氏の作品郡に手を付けるのなら、『死なない生徒殺人事件』の裏表紙を見て興味を持たれるかどうかで判断していいかと思います。でもそれ以降の作品も手にするのなら「野崎まど氏だから」だけの前知識だけで、裏表紙すら見ないで読んだほうが衝撃が大きいのは確かかと。

いろいろ読了後の感想を語りたいところですが、自分では色々補足しきれてない部分もあったりしますので、本サイトではおなじみのSAKATAM氏の書評を読むのを推奨しておきます。

この小説はきっと、とても面白いので。
午前零時のサンドリヨン
午前零時のサンドリヨン

相沢 沙呼
東京創元社
単行本




推理モノではあるんですが、殺人事件などを扱うのではなく、高校生の身の回りに起きたちょっとした不思議な出来事を題材としていて、日常系ミステリーというジャンルに属する作品かと思います。重々しくはないので、軽く読めていいですね。

主人公が草食系で人畜無害なおとぼけキャラなので、人によっては読んでてイライラするかもしれませんが、個人的には楽しく読めました。マジックを披露するときだけは笑顔なのに、普段はそっけないヒロインとの掛け合いがなんかいい雰囲気で、微笑ましいんですよね。

とはいえ、実際のところ殺人こそ起こらないものの、そんな穏やかなシーンだけではなく、けっこうドロドロした部分も描かれていたりします。それでも読後感が悪くないのは、ライトノベルとはではいいませんが、あえて軽く読みやすく配慮している文体や雰囲気がそうさせるのかもしれません。

4つの短編からなるお話なのですが、それぞれのエピソードが全体の物語内での起承転結をうまく担っていて、それだけでなくすべて読み終えると全編を通す謎も明かされる、という作りになっており、そつなく上手い作品だと思います。続編も出ているようなので、そちらも早速読んでみたいですね。
異次元の館の殺人 (光文社文庫)
異次元の館の殺人 (光文社文庫)

芦辺 拓
光文社
文庫
2016-09-08



先日感想を書いた『体育館の殺人』は逆説的にインパクトがある作品名だと思ったんですが、こちらの作品は直球的にインパクトがありますね。ここまで仰々しい名前にしたんだから、さぞ凄い仕掛けがあるんだろうと思って手にしてみたんですが……なんだこりゃ(良くも悪くも)。

館シリーズの見取り図にトイレがないのが気になるような人は、これみてどう思うんでしょう。まぁ見取り図はあるんですが、殺人現場の部屋しか図がないんですよ。こんだけのタイトルの作品なのに、館全体の見取り図が存在しないという。

いやぁ、ほんと未見の人に対する説明が難しすぎる作品ですね。パラレルワールドと新本格ミステリーが融合した、と言ってしまえばいいんでしょうか。この作品の特徴的なところを書いてしまうとネタばれになりかねないので、ネタばれ感想でいろいろ書いてみます。



日本ミステリも変わった話がいろいろあると思いますが、その中においてもかなり極北な作品だと思います。こんな話見たことない、てのだけは確か。あんまりSFという部分に期待せず、変わったミステリーを構築するためにSFを用いました、くらいに構えて読むべきかもしれません。

面白かったかどうかと問われたら「楽しめました、個人的には」と余計な一言を付け足さずにはいられない。よほどの物好きじゃないと、気に入ってもらえるかどうかは未知数な代物ではないでしょうか。
体育館の殺人
体育館の殺人

青崎 有吾
東京創元社
単行本




鮎川哲也賞受賞作にしては、タイトルにひねりがないなぁと思って逆に気になってたんですが、読了し終えてからようやく気づきました。綾辻行人氏の館シリーズへのオマージュだったのだと。そう思うと逆になかなか珍しい館シリーズタイトルとも言えるのかも。館モノなのに見取り図にトイレがちゃんとあるなんて……!

内容的には、エラリー・クイーンが相当好きなんだろうな、と分かるくらいに直球勝負の論理的推理モノでした。この分野は出来る限りのことをほぼやってしまった感があるので、敢えてこの分野で若い方が作品を作られるのは逆に凄いことかと思います。真相は今まで見たことがないような奇抜さは無かったものの、そこに行き着くまでの些細な手がかりの繋がりが面白かったですね。よほど好きじゃないと書くのが無理でしょうね、このジャンルは。

探偵役が高校生のアニメオタクという辺りは、必然性があったのかは何とも言えないところですが、他の作品からの差別化という面でみるとこういうキャラづけもありなのかもしれません。少し捻くれた性格だからこそ、ああいった結末になったりしているのも納得できますし。

ちなみにKindleだと冒頭部分と短編一本が無料で読めますので、これから手にしようか悩んでる方は一読してみてはどうでしょうか。

【東京創元社無料読本】 青崎有吾の挨拶
【東京創元社無料読本】 青崎有吾の挨拶

青崎 有吾
東京創元社
Kindle版
2015-03-12



作者インタビューを読んで知ったのですが、実は文庫版だと読者への挑戦があるようです。

体育館の殺人 (創元推理文庫)
体育館の殺人 (創元推理文庫)

青崎 有吾
東京創元社
Kindle版
2015-03-12



何やら事情があって単行本版では存在しておらず、文庫化にあたり細かい部分も改修されたらしいので、機会があればそちらも読んでみたいところですね。
安心のペットボトル温灸
安心のペットボトル温灸

若林理砂
夜間飛行
単行本




肩こりなどでダルい時はまみりんにお願いしてお灸をしてもらうんですが、わざわざ頼むほどでもないけど微妙にダルいといった程度のときに、手軽にできる策はないかといろいろ探してたんですが、こちらの書籍がお手軽な割にはなかなか効果があってオススメですね。

表紙で一目瞭然ですけれど、ペットボトルにお湯をいれてお灸にする、といった方法になります。本物のお灸に比べると場所をそこまで神経質にぴったりあてなくてもいいし、お湯沸かすだけで一人で出来るので楽ちんです。肩こりは血行が悪くなるのが原因の一つですから、寝る前はペットボトルで肩周りなどを温めると、すんなり寝れていい感じです。

かなり楽にできていいんですが、お灸とまでいかずとも椅子に座ったまま体の一部を暖めたいな、と思うようになってきて色々探してみたら、こんなグッズを発見しました。

カイロベルトマジック
カイロベルトマジック

立石春洋堂
ヘルスケア&ケア用品
2003-01-20



先ほどの書籍に掲載されてるような、小さめのペットボトルだとちょうどいい大きさなので、肩や首周り、腰に巻きつけて暖かくできるので便利です。ちなみにAmazonで2個購入したところ、別々の色が届きました。知らずに頼んでラッキーでしたけれど、色の指定はできないようですので、好みの色がある方は購入前にご注意を。


"物理トリックの北山"という異名を持つ作者の作品ですから、タイトルからしてこれはもう豪快な物理トリックが待ち受けているんだろうなぁ!と読み始めたんですが、それはもう色々な意味で驚愕されられました(良い意味で)。

この前『その女アレックス』(感想)を読んだ時ぼんやりと感じてたことがあったんですが、琥珀色の戯言の方の感想を見て、自分が何を感じていたのかがはっきりとした輪郭を持ちました。

ただ、これを読んでいて思ったのは、ストーリーの「どんでん返しの技術」においては、われらが日本産ミステリというのは、もう、行きつく所まで行ってしまっているのではないか、ということでした。

そうなんですよね、シャーロック・ホームズを源流とした推理小説は、日本でガラパゴス化して異形の進化を遂げてしまったのではないでしょうか。その極北の作品の一つとして、本書を挙げてみたい。そう思うくらいにショックを受けました。これまたネタばれなしで何も書きようがないので、クリックしないと見れないようにしてネタバレ感想書きます。



それにしても、本当に密室トリック考えるのが好きで好きで仕方がないんでしょうね、この方は。ただ、そのトリックを活かすための舞台や雰囲気作りが毎回大変そうですから、そういう意味でいうと『ダンガンロンパ霧切』シリーズ(感想1感想2感想3)のあのシステムが生み出されたのは必然的なのかもしれません。

『城』シリーズも、『ダンガンロンパ霧切』シリーズも、そしてそれ以外も、とにかく北山氏の今後の作品が楽しみです。
その女アレックス (文春文庫)
その女アレックス (文春文庫)

ピエール・ルメートル
文藝春秋
Kindle版
2014-11-28



今まで紙媒体でしか小説を読んだことがなかったのですが、今回始めて電子書籍で小説を読むという体験をしました。普通だったらそうしようとするのに幾つかハードルがあるんですが、色々とタイミングも良かったのかもしれません。

たまたま妻と息子だけ実家に帰ってて「久々に一人で自由に過ごせるなぁ」と思った矢先に、書店で「このミス海外部門一位!」というのを目にして「そういえば、数カ月前にとあるブログで徹夜必至の面白と紹介されてたなぁ」と思い出し、「iPadも自由に使えるしKindleで小説読んでみるのもいいかなぁ」と思って、今までマンガはKindleで購入する習慣が根付いてたのもあってその場でiPhoneでダウンロード購入し、自宅に帰ってからこたつに入りながら、iPadを立てかけながら読み始めました。

マンガだとブラウザでKindle本を読めるのに、なんで小説は扱ってないんだろうか、というのが今まで謎だったのですが、実際に読み始めたら理由が分かりました。ドラッグして文字を選んで検索もできるし、行間やフォントの大きさを自由に変えられるし、栞も複数つけられるし、とブラウザのみで実現するのが困難な機能が揃ってるからですね。専門書とかだとかなり重宝する機能じゃないでしょうか。紙媒体と違って常に両手で本を持ってないといけないという事もなく、手放しで読めるのも楽チンで良かったですね。

環境面についてはこのへんにしておいて、本作品そのものに言及を戻します。フランス翻訳の割にはかなり読みやすい文体で、まずそこに感心しました。ミドルネームでたまに呼ばれたりといった事はありますが、海外モノにありがちな人物の混乱は殆ど起きず、たまに忘れた時だけKindleアプリ検索ですぐに思い出す、といった流れで読めたので非常にストレスなく読めました。もし『屍鬼』を電子書籍で読んでたら、かなり楽だっただろうなぁ、とKindleの機能に感服です。

本作の評判の高さを担っているストーリー展開に関しては、読んでる最中は引き込まれてましたが、読了した後だと少し思う所もあります。詳しい感想はネタバレを交えて書かせていただきます。未読の方が本書を手にする前には、極力前情報なしで読まれたほうが、楽しめるかと思いますので。



と少し文句めいた事は書きましたが、この作家のことが気になったのは確かです。刑事たちのキャラクターも魅力的でしたし(特に"プレゼント"の件とか)、なんだかんだで面白かったので、他の翻訳作品に即座に手を伸ばしたのも事実ですし。

死のドレスを花婿に
死のドレスを花婿に

ピエール・ルメートル
柏書房
単行本




これも面白かったのですが、さすがに『その女アレックス』ほどの衝撃はありませんでした。これまたネタバレになるので、クリックしないと見れないようにしておきます。



またまた文句めいた書き方をしてしまいましたが、ピエール・ルメートルという作家の力量は確かなものがあると感じてますので、他の作品もそのうち翻訳されないかなぁ、と願っています。
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