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2010年06月29日

イングロリアス・バスターズ [Blu-ray]
イングロリアス・バスターズ [Blu-ray]

ジェネオン・ユニバーサル
Blu-ray
2010-05-12



監督が監督なので、かなりぶっ飛んだ内容を想像してたんですが、タランティーノ監督独自のノリは抑え目になってるんで、割と一般層な方々にもオススメしやすいかもしれません。とはいえ、一般的な戦争映画を期待して見られるとどうなるか分かりませんが……

印象的だったのは、『セブン』の頃は若々しかったブラッド・ピットが、骨太でいい感じに齢を重ねて味わい深いキャラを演じられてた点ですね。物語全体からすると実は狂言回しに過ぎない役どころともいえるんですが、タイトル画面で使われているあの構図やラストのあの構図からして、実にインパクトがあったと思います。

でも一番の収穫だったのは、名悪役ランダ大佐です。決して狂っているわけでなく、何をしでかすか分からないといった事はないのですが、常に冷静で狡猾に獲物を追い詰めていく様が、緊張感があって素晴らしかったですね。

2時間半と割と長めな作品ではありますが、なかなか意外な展開が待っているので、実際に鑑賞すると長いと感じられないんじゃないでしょうか。
最近、続編の『スモーキン・エース2』がレンタルされたので鑑賞してみたんですが、当店オススメ!と張り紙がしてあった割には、そんなに面白くなくて。

スモーキン・エース2 [DVD]
スモーキン・エース2 [DVD]

ジェネオン・ユニバーサル
DVD
2010-04-21



そんなに悪い映画じゃないんですが、なんかこう印象に残らないと言うか、前作はもっと面白かったような気がするんだけど……と思ったので、改めて前作を見返してみたのでした。

スモーキン・エース [DVD]
スモーキン・エース [DVD]

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
DVD
2007-09-13



スタイリッシュな雰囲気や後半意外な展開になるあたりもポイントが高いんですが、やっぱり色々な殺し屋が出てきては暴れまくる点が、圧倒的に楽しいですね。続編はこの辺のハジけ方が足りない気がしました。

本作はブラックジョーク的な群像アクション劇、といった雰囲気ですから、『スナッチ』『ロック、ストック& トゥー・スモーキング・バレルズ』が好きな人にオススメです*1
  • 注1 : 殺し屋だらけって事で『KILLER7』が好きな人にもオススメ!……とは流石に申せません、ご主人様。

2010年06月10日

シューテム・アップ [DVD]
シューテム・アップ [DVD]

ワーナー・ホーム・ビデオ
DVD
2008-10-08



銃撃戦マニア必見、とにかく色々なシチュエーションの銃撃戦をぶちこんだぜ!といった趣のアクション映画。ストーリー? んなこと気にしてる場合じゃないぜ? 細けぇことはいいんだよ!

余りにもぶっとんだアイデアが満載なので、登場人物はマジな顔しててカッコイイってのに、見てるこっちは大爆笑。だが、それがいい。

エンドロールもかなりカッコよくて、キマってる。とにかく娯楽性に徹して遊び心に満ちた作品なので、スカッとしたい時に頭をカラっぽにして見るべし!

2010年06月09日

十二人の怒れる男 [DVD]
十二人の怒れる男 [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
DVD
2009-11-20



陪審員制度をあつかった古典ともいえる作品で、画質とかは流石に今見ると古臭いのは否めないんですが、個人的にはそれが逆に味わいに繋がっていてる気がしました。派手な物語ではないので、物語の雰囲気的にもマッチしているのではないでしょうか。

色々な映画がオマージュしただけあって、原点ともいえる本作は面白かったです。完全な密室劇なのに、役者の芝居だけで物語を引っ張ってくれるので退屈しません。最後の上着をかけるシーンなんて、セリフが無いのに心の動きが見てとれるようで、素晴らしかったです。

作品には全く責任が無いのですが、DVDで見てたらなぜか途中で吹き替えが英語に戻ったのだけが不便でした。それ以外は全く欠点が見当たらない、必ず見ておくべき古き良き映画の一本だと思います。

2010年06月06日

エスター [Blu-ray]
エスター [Blu-ray]

ワーナー・ホーム・ビデオ
Blu-ray
2010-03-10



子供を扱ったサイコホラーの傑作です。ジャケットの子役の顔写真を見て、これは不気味だと思ったらそのまま前知識無しに鑑賞してみるのがいいんじゃないでしょうか。とにかく子役の演技が素晴らしく凶悪。役柄にピッタリはまりすぎてて、普段からあんな感じなのかと思ってしまうくらいに怖いものがあります。

いろいろと印象に残るシーンが多いです。父親が暗い部屋で隠された絵を見てしまうシーン、真相を伝える電話で「すぐに避難してください」というシーン、その直後に首輪や入れ歯を外すシーン、涙で化粧がグズグズに崩れてしまうシーン、個性的なエンドロール、などなど。

中でも特に印象に残ったのはトイレで蹴るシーン化粧をして父親に迫るシーンですね。特に後者は本当に子役なのか、と思ってしまうくらいに艶かしさと体の幼さのギャップがあいまって、彼女のもつ悲しみをも映すだすような迫真の演技だったと思います。

DVDやブルーレイでは劇場版とは違うもう一つのエンディングが収録されているのですが、個人的にはこちらの方が好みでした。色々な都合があって*1、劇場版のエンディングにしたのかもしれませんが、製作者サイドが純粋にエンディングにしたかったのはこちらかもしれません。話が途中で終わってしまった感があるかもしれませんが、だからこそより不気味で本作の雰囲気と一致していたのではないかと思うのです。

2010年06月05日



DMCの映画化ってことでドキドキしながら見たんですけれど、何といいますか、「主演の方はけっこう頑張って役作りされてた」という感想が出てしまうくらい、客観的と言うか冷静と言うか冷めた目で見てしまい、映画そのものよりも一緒に見てたまみりんの意見が印象的でした。

「一秒レイプ10回がどうして無いの?! 右足が沈む前に左足を出せば理論でいけばいいのに!」

「無理にいい話にしなくてもねー。でも、ファンのデブ女とか似すぎて最高!」

「白い犬がかみついてこなくて残念だったねー。雨のシーンで、絶対にかみつくと期待してたのにー」

作品の出来が未知数の時は、まみりんと一緒に見るのも一つの手だと思いました。作品への没入度が高かった時は台無しにされる、という諸刃の剣ではありますが。
ロフト. [DVD]
ロフト. [DVD]

角川映画
DVD
2010-02-26



「ベルギー国民の10人に1人が見たスーパーヒット・サスペンス映画が日本に上陸!」という煽り文句を見て、ベルギーの人口が気になったので調べてみたら、1,075万人(2009年)だそうです。つまり、107万人くらいが見たサスペンス映画ってことになりますね。

結局のところこの人数が凄いのかは分かりませんが、気になるので鑑賞してみたかったものの、いつもの「見たい映画は単館系、福岡じゃ上映いつになるか分からない」パターンでして、気が付いたら上映するよりも前にDVDレンタル開始されてました。

そんなこんなで鑑賞するまでかなり時間がかかったので、自然と期待度も高くなってしまいました。全体的にかなり良く出来たミステリーだったのですが、期待しすぎた感は否めません。思ってたよりは驚きはありませんでした。とはいえ、まっとうなミステリー映画が少ない世の中においては、楽しめた方だと思います。

絵的な点で言えば、鋭角な建築物をモチーフにした見せ方は斬新でした。ストーリー的な点で言えば、時間軸が移動する複雑なシナリオの割には、分かりやすい構成で丁寧ですね。総じて言えば、『ユージュアル・サスペクト』には及びませんが、この系統が好きな方にはオススメです。

2010年05月12日

戦場でワルツを 完全版 [Blu-ray]
戦場でワルツを 完全版 [Blu-ray]

ワーナー・ホーム・ビデオ
Blu-ray
2010-05-12



戦争映画をアニメという手法で表現したら、まさかこんな作品になるとは。

パレスチナ大虐殺を描いた作品なのですが、アメコミのように陰影のはっきりした絵柄*1で描かれることで、表現されているのは明らかに残酷な内容なのに、映像として素晴らしすぎるため、直感的に残酷さを感じると言うよりも、論理的に残酷さを感じているように思えます。

しかし、これらは明らかに意図的に仕組まれた演出でしょう。作中で何度も「カメラを通す事で絵空事のように」だとか「バルコニーの向こうで他人事のように」と、何らかのフィルターを通す事で目の前の惨事がリアルに感じられない、という表現が出てくる事からもそう感じました。そしてこれらは布石だったのでしょう。



原題が『WARTS WITH BASHIR(バシルとワルツを)』なのに対し、邦訳を『戦場でワルツを』としてきたセンスが好きですね。戦争映画というジャンルの中でも異色な衝撃作だと思います。パッケージの雰囲気が気に入ったのならぜひ鑑賞して、打ちのめされてみてはいかがでしょうか。
  • 注1 : 似たような表現で言えば、ゲームですけれど『KILLER7』が近いと思います。狂ってるという点で見ても似てますね。狂う方向性がずいぶん違ってるかも知れませんが。

2010年04月18日

http://d-9.gaga.ne.jp/

ヨハネスブルグに宇宙人が難民として隔離されている、と聞いて誰しもが最初にアパルトヘイトの事を思い浮かべるのではないでしょうか。南アフリカ共和国は強盗に会う可能性が150%*1といったとんでもない風評を受ける地域であり、ワールドカップ開催後の行方が違う意味で目が離せません。

そういう印象を裏付けるように、冒頭はドキュメンタリー風に地味に物語は進みます。インタビューで「エイリアンを隔離しろ!」と黒人男性が訴えているシーンといった極めて強烈な皮肉を含んだシーンもあって、荒唐無稽な設定であるはずなのに妙にリアリティを感じてしまいます。

そういった冒頭のシーンを見ているうちに、個人的にはアパルトヘイト以外の印象として、『イリーガル・エイリアン』と似た雰囲気があるのではないか、と感じるようになっていました。

イリーガル・エイリアン (ハヤカワ文庫SF)
イリーガル・エイリアン (ハヤカワ文庫SF)

ロバート・J. ソウヤー
早川書房
文庫




見終わった結論からすると、ソウヤー氏の作品ほどぶっとんだ設定ではありませんでしたが、オリジナリティ溢れる力強い作品だったと思います。元になった要素一つ一つは過去の名作から拝借されていると思えなくも無いのですが(むしろこの時代でそうでないものが存在するわけもないですし)、切り口や構成の仕方でここまで新しい感覚の作品に仕上げているのが見事でした。



予算もなく、有名俳優もおらず、ないない尽くしの作品なのにアカデミー賞ノミネート(しかもSFなのに)されているのは、芯がしっかりした作品だからじゃないでしょうか。社会派SF映画と思って敬遠してる方がおられたら、面白い娯楽作品ですから是非ごらんになって見てください、とオススメしておきます。
  • 注1 : 行きで100%の確率で強盗にあい、帰りは50%の確率で強盗にあうので150%換算。

2010年01月17日

http://www.datsugoku.com/

タイトルを見て「これはいったい……?」と思い、検索して出てきたスクリーンショットで「これは凄い作品では……?」と思い、それ以上の情報はシャットアウトして予告編すら見ずに映画館に行ってきましたが、そのかいあって、この傑作を存分に楽しめました。

主人公役がお笑い芸人の板尾創路氏なので少しは笑いの要素が入るのかもな、とも思っていたんですが、実際はそうではありませんでした。最初にスクリーンショットを見た時の印象通り、かなりシリアスな話で笑いの要素は皆無です。お笑い要素を求めて鑑賞しに行くと当てが外れるかも知れませんが、まぁあの主人公の面構えをみてそんな期待をもつ人は居ないでしょうね。顔を見た瞬間に「こいつはクセモノだ」と思わせるのが凄い。

雰囲気としては、古き良き日本映画といった感じでしょうか。古臭いと言う意味ではなく、方向性として黒澤明監督の目指した娯楽性を向いている、とでも表現しましょうか。タイトルバック*1からして、骨太なエンターテイメントをやっているって自覚が見えてきましたね。本当に直球な娯楽作品だと思います。



吉本興業の某作品に辟易した人にこそオススメしておきたい作品です。かなりの完成度ですから、映画好きな方にご覧になっていただきたいと思います。
  • 注1 : ネタバレになりますが、タイトルバックが二度出てきた時は驚きました。深い意図があるのか良くわかりませんが、インパクトがあったのは確かです。インパクトと言えば、劇中で唯一主人公が言葉を発するというか歌うシーン。あれも意図が良くわかりませんが、インパクトがありました。ただ歌ってるだけだというのに!
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