Home | ArchiveList | Category | About
Home > 漫画
1 2 3 4... > >>


水上悟志氏といえば、ほんわかした雰囲気とアツい展開をあわせもった、独特の世界観が魅力な作品を多く生み出している方かと思いますが、今回の短編集もいい出来でした。

全5編が収録されていて、最初の4編はいい意味でゆる〜い雰囲気で、読んでてかなり和ませていただき、相変わらず完成度が高いんですけれど、圧巻なのが最後に収録されている74ぺージに渡る『虚無をゆく』ですね。

一言でいうとSFなんですけれど、74ページなのに長編ものを読み終えたような充実感があるんですよ。導入部はゆるいようでいて、すぐに独特の設定が効果的に示され、どうなることかとページを捲っていくと壮大な幕切れが待っていて、ほんと凄い。ここまで重厚なのに読みやすく、SFが苦手な人でも気軽に読めるので、取り敢えず全人類に読んでもらいたい傑作です。

長編作品もどれも面白いですが、短編の切れ味がさすがすぎるので、次の短編集を気長に待っています。
2017年に新刊が発売されて、もっと知られて欲しいなーというマンガを優先的に紹介してみます。


正直なところ「売れないと連載終わります」的なツイートで知って、あまり自分の趣味にあうマンガってなかなか無かったんですよ。必死なのは分かるんですが、なんだかネガティブな印象が強いというのもあるし。だからと言って何もしないで終わるくらいなら足掻きたい、というのは悩ましいところでしょうね。


そういうわけで『悟りパパ』も取り敢えず読んでみるか、くらいの軽い気持ちで読み始めてみたんですが、驚きました。こんな面白い漫画でも打ち切りになりそうなのかと。

そして改めて思いました。どんなに面白くても、知られてない、というだけで連載が終わってしまう作品もあるのだな、と。思い返してみれば『度胸星』『死神様に最期のお願いを』『ドロップフレーム』といった作品は、かなり面白いと思うのに何故か打ち切りになりました。ちゃんと単行本も買ってたのに、続きが読めなくなった時の喪失感ときたら……

そういうのはもうイヤだなと思ったので、そう思うくらいに面白いマンガだと思ったので、拙いながらも感想でも書いてみます。

公式では「ハートフルSATORIコメディ」とありますが、まさにそんな感じですね。とはいえ未見の人にはなにそれ?って感じでしょうから(かつての自分のように)、もう少し噛み砕いて説明してみます。

悟り一年目の新人パパさんと、息子の梵くん、そしてママさんとの温かい交流が描かれてるんですけれど、セリフ回しなどが実にうまいんですよね。決して押し付けがましいところはなく、分かりやすくすんなりと頭に入るような言葉使いで、ありがたい教えを口にしているんですけれど、機知に富んだというか、ユーモアを含んでいて、言葉が暖かく柔らかいんですよ。読んでるだけで癒やされます。ピカーされた気分になります。

ここまで書いてみたところで、自分の文才ではこの魅力を伝えきれないと思ったので、とりあえず興味を持たれた方は、となりのヤングジャンプで一通り読まれたほうがよいかと思います。

現在発売中の一巻では、18話までと描き下ろしの番外編が付いてきます。WEB上で読めない話は4、5、13、18と書下ろしといったところで、ある程度はWEBでも読めちゃう太っ腹な感じですけれど、このマンガをずっと読み続けていたいなぁと思われましたら、作者さんのためにも、読者たる自分のためにも、単行本を購入されてみてはいかがでしょうか。


なお単行本を購入する場合、在庫の関係上できれば紙の方がいいみたいですが、Kindleでもお役に立てるようです。自分に無理のない範囲で購入してみてはいかがでしょうか、と思ったんですが在庫についてこんなツイートを見かけたので、やっぱ紙版の方がいいですかね。


Amazonの紙版だと在庫はあるものの2〜5週間でお届けとなってるので、ヨドバシで購入するのも良さそうですね。Kindle版買ったけど、妻に読ませるためにヨドバシで紙版を注文したら、土曜には届くようです。紙版とKindle版の違いがないか確認でもしてみましょうかね。

というわけでとりとめがなく、あまり感想そのものを書いてない気がしてならないんですけれど、とにかく周りにオススメしたいという気持ちが伝わって、となりのヤングジャンプに一人でも多くの方が見に行って、この作品をもっと知ってもらえたらなぁ、と思うばかりです。

合言葉は「仏滅はR指定」。

この言葉の意味を知りたくなったら、読もう、悟りパパ! 

そしてみんなで続きを読み続けましょう!



2017/01/14追記

ヨドバシから紙版コミックスが届いたので、Kindle版との違いを確認してみました。


電子化で手軽になった代わりに、手触りを捨てていたんだな、と思い知らされました。

収納場所の問題さえどうにかなれば、やっぱりマンガは紙がいいなぁ。

そんな事を言っておきながら、今日はKindleで4冊もマンガ買ってるので全然説得力ないですけど。
1518! イチゴーイチハチ! 1 (ビッグコミックス)
1518! イチゴーイチハチ! 1 (ビッグコミックス)

相田 裕
小学館
コミック
2015-03-30


1518! イチゴーイチハチ! 2 (ビッグコミックス)
1518! イチゴーイチハチ! 2 (ビッグコミックス)

相田 裕
小学館
コミック
2015-11-30


1518! イチゴーイチハチ! 3 (ビッグコミックス)
1518! イチゴーイチハチ! 3 (ビッグコミックス)

相田 裕
小学館
コミック
2016-11-30



『1518!イチゴーイチハチ!』3集の感想の募集が12月末日まで行われてます。


ものすごく好きな作品ですので、せっかくだからこの機会に自分もきちんと感想を書いてみようかと思います。まぁ同人誌版一巻でもそれぞれ感想を書いてはいるんですが、今思えば薄い感想にも思えたので、今度は感情を思いっきりぶつけて書いてみようかと。

応募の規約外になりそうだなーとは思ったんですが、ツイッターじゃなくてブログ記事として書き残そうかと思います。140文字はそれを書くには狭すぎる。というか数えてみたら5509文字あったので、40ツイートも連投する覚悟があるのかと言われたら、さすがにムリっす。


青木ハヤト氏の新作ということで気になってたんですが、表紙を見た瞬間に「こ、これは多分……いつものアレでは……?」とAmazonでポチってしまいました。

だってこの表紙(の左下のセリフ)を見てしまったら、青木ハヤト氏が本作の前に連載していた『トラウマ量子結晶』みたいなのを期待してしまうじゃないですか。

トラウマ量子結晶(1)
トラウマ量子結晶(1)

KADOKAWA / 角川書店
Kindle版
2012-09-01



この本を手にとってくれた皆様が「イタタ……」と思っていただけるような漫画を描いて行きたいと思います(カバー横の作者の一言より)

作者自らこう言われている通り、かなりイタタな作品です。真面目にアクションものとして話が進むこともあるんですが、半分ははイタタ成分でできており、やさしさでは出来ておりません。登場人物が全員ダメ人間で、全体的にかなりしょーもない有り様でして、イタイはイタイのですが、笑い飛ばせるイタさだったりするので、個人的にはかなり好きですね。なんだかんだで最後はキレイ?にまとめてたのも嬉しかったです。

そういうわけで『高機動無職ニーテンベルグ』もそういうノリを期待して即買いしてみたんですが、想像以上に奇妙な雰囲気でした。おそらく作者の方はロボットものがかなり好きと思われ、戦闘シーンなどはかなりしっかり描写されてるんですが、言ってることがみんなおかしいのです。

NEET

大体こんなノリなんですが、『トラウマ量子結晶』と違うのは本人たちはいたって大真面目にこれらのセリフを言ってるんですよ。照れとかが微塵もなく、コメディタッチはほとんどないし、かっこいいセリフもあったりするのに、なんか笑わされてしまうという。テキストサイトで例えると、文章の末尾に(笑)とか(爆)とかいっさい付けず、淡々と変なことを書いてるような雰囲気とでもいうか。なにこの異空間。

そういやKindle版だと、カバー横の作者の一言が載ってないんですよ。だからご本人がどんな気持ちで書いてるのか分からないまま読むことになっているので、だからこそ更にギャップで笑わされてしまってるのかもしれません。まぁ正気で書いてるとは思ってませんが。

どこまで連載が続くのか正直未知数なんですが、作者の方が描ききりたいところまで続いてくれるといいなぁと思いつつも、途中で打ち切りになったらどんな事してくれるんだろうか、というファンとして不謹慎なことも考えてしまうという、ホントに奇妙な作品だと思います。
【オートアサシノフィリア】
Autoassassinophilia
自分が殺されることに性的な興奮を感じること


上記のような物騒な性癖をもつ高校教師が主人公であり、かなり扇情的なタイトルですからかなり衝撃的な内容かと思って手にしましたが、実際に読んでみるとむしろ静かな作品と思いました。すくなくとも、第一巻時点では。

女子高生に殺されたい 1 (BUNCH COMICS)
女子高生に殺されたい 1 (BUNCH COMICS)

古屋 兎丸
新潮社
コミック
2015-02-09



登場人物とその内面の掘り下げが丁寧にされていて、これから起こるであろう波乱に向けて、静かに物事が進んでいっている、といった印象をうけました。まだ猟奇的な事件はいっさい起こってないし、グロテスクな描写はほとんど無いにもかかわらず、妙な緊張感があります。

とはいえ展開が遅いわけでもなく、1巻最後の時点では淡々とながらもテンポよく話が進み、これから絶対に何かが起こるのだろう、と思わせるものがあります。それは気のせいではなかったようで、最終ページには次巻予告がありました……2016年発売予定で、次巻完結、と。

Kindleだと無料で第一話が試し読みできますし、対談記事もありますので、興味をもったら一読されてみてはどうでしょうか。



ここからどう完結にむけて話が進むのか、実に興味深いです。




僕だけがいない街』で脚光をあびている三部けい氏が、瓦敬助名義で執筆している、ちょっとエッチなコメディ作品です。

実はかなり前から続いてる作品なのですが、最初の頃は成人雑誌に連載されていて、18禁じゃないのにそういうマークが単行本についてたりした経緯もあり、知名度はあまり高くないのかもしれません。でも知ってる人なら「奈々子さんでした。」の一文だけで、鮮烈な記憶がよみがえるのではないでしょうか。

別名義で執筆してたことをすっかり忘れてたので、Kindle化されてないなーと勘違いしてたんですが、最近になってやわらかスピリッツにてWeb連載されたことを知り、実は成人誌時代から更にDASHとして三冊も単行本が出てたのを知ったのでした。

内容的には、あくまで爽やかにエッチなシチュエーションが描かれてる感じですね。例えて言えば、人妻が温泉で浴衣から少し肌が露出していて艶かしい表情をしているような方向性ではなく、リオのカーニバルみたいに明るく裸が前面に出てくる、みたいな感じでしょうか。まさにお祭り騒ぎな作品といっていいでしょう。

いつもニコニコしている菜々子さんですが、たまに静かに怒ってる時もあって、普段とのギャップがあってなんか好きですね。今回一番気にいったのはこのシーンでしょうか。次点は「ハッピーアイスクリーム」のシーンかな。

菜々子さんでした。

作者の方はよくもまぁ毎回妄想が捗るものだなぁと感心してたんですが、自伝とか記載があって仰天しました。いやいや自伝とかいってそんなわけないだろ、とか思ってたら極端に女子比率が高い学校だったらしく、そうなるとギャルゲーのイベントレベルの出来事が普段からあったみたいです。マジか。そうなのか。

そういう話を聞いてると息子の進路を真剣に考えてこんでしまうパパなのでありました。見える、見える、未来の自分の姿が。息子よ、学生服を着たままイチャイチャできるのは、学生時代だけなんだよ、と息子に真剣な顔で話しかけている自分の姿が。
ナナのリテラシー1
ナナのリテラシー1

鈴木みそ
Kindle版
2014-01-23


ナナのリテラシー2 (Kindle Single)
ナナのリテラシー2 (Kindle Single)

Miso Suzuki
Kindle版
2014-09-22


ナナのリテラシー3
ナナのリテラシー3

鈴木みそ
Kindle版
2015-03-21



鈴木みそ氏の『あんたっちゃぶる』『銭』といった系統の作品が好きな方なら、是非とも読んでおくべき解説系マンガです。第一話の試し読みもできるので、気になったなら読まれてみてはどうでしょうか。

第一巻では電子書籍、第二巻ではゲーム会社、第三巻では表現規制について扱っており、いつもながら説明の仕方がうまい。具体的な数値なども混ぜてリアリティを高めつつも、よい塩梅に虚構要素を混ぜ込んできているので、どこからどこまで本当なのかが曖昧としていて、それが実にいい。

ヒロインのナナもクールなようでアツいし、媚びてないかわいさがあって実にいいキャラですし、ジンゴローのいつ死んでもおかしくなさそうな有り様とか、秘書の人の冷静なところとか、もうこの三人でどこまでも話が続いてくれればよかったのに、残念ながら全三巻で完結してしまいました。逆に言えば、今から手を出しやすいと言えますかね。

内容の面白さはかなりのものなのですが、紙媒体での売上が伸びずに打ち切りとなったそうです。電子書籍が売れても紙媒体が売れないとダメなの……?と思うと、最近になって殆どKindleでしかマンガを買わなくなってる自分は、業界に貢献できてないんだろうか……と少し不安になったりしますが、逆に電子書籍使うようになってマンガ購入費が明らかに増えたから、むしろ貢献してると思っていきたい所存。

電子書籍には読者・作者ともどもまだまだ明るい可能性が広がっていると信じたいところなので、ここらで明るい未来でも見せていただきたいです。具体的に言えば、続編が電子書籍オンリーで連載が続くとか、いかがなものなんでしょうか。あまり前例がないことだと思いますが、だからこそ鈴木みそ氏にまた何かやってみてもらいたいところです。
前作である『ホクサイと飯』はかなりお気に入りだったのですが、一巻完結しててかなり残念に思ってました。とらのあなで同人誌が出てるのを知って、すぐに買ってしまったくらいに大好きだったのに!

ホクサイと飯 (単行本コミックス)
ホクサイと飯 (単行本コミックス)

鈴木 小波
角川書店
コミック




しかしながら連載終了の理由が、雑誌休刊にともなう不可抗力なものであったため、人気そのものはちゃんとあったようです。このたび移籍新連載という扱いで新たに単行本が発売されて一安心しました。



発売初日からKindle版も販売してたんで、紙版とどちらを購入すべきか悩んだんですが、結局のところ紙版で購入しました。鈴木小波氏*1の作品は紙版で揃えてますし、カバー裏に毎回遊びが盛り込まれてますし、同人誌も出されたりするから、せっかくだから俺はこの赤い(帯の)本を本棚に並べてみるぜ!って気分になったりするじゃないですか。



偏食なくせに料理漫画をわりと購入してるんですけれど、やっぱり料理がいかに美味しそうなのかが購入のポイントになるかと思います。そういう意味で言うと、本作もかなり食欲をそそられますし、それだけでなく料理をしている姿も楽しそうなんですよ。

各話最後に実際の調理写真も掲載されてて、やや小さめの写真なのが逆に味わい深いですね。装丁的な意味でも、とても大好きな作品です。


インタビュー記事の最後に第一話の試し読みもできるんで、気になった方はまずはWebで読んでみてはどうでしょうか。作者の方が料理もマンガも楽しんで作られてるんだろうな、という雰囲気が伝わってくる素敵な漫画だと思います。
  • 注1 : ちなみに「さなみ」と読みます。というか今回ふりがながあったので初めて知りました。てっきり上上下下左右左右BAな人とばかり思い込んでて、大変失礼いたしました。
子供はわかってあげない(上)
子供はわかってあげない(上)

講談社
Kindle版
2014-09-22


子供はわかってあげない(下)
子供はわかってあげない(下)

講談社
Kindle版
2014-09-22



水泳×書道×アニオタ×新興宗教×超能力×父探し×夏休み=青春(?)。モーニング誌上で思わぬ超大好評を博した甘酸っぱすぎる新感覚ボーイミーツガール。センシティブでモラトリアム、マイペースな超新星・田島列島の初単行本。出会ったばかりの二人はお互いのことをまだ何も知らない。ああ、夏休み。

このあらすじを見てどんなマンガかすぐ分かる人はいないと思うんですが、マンガ大賞の第二位だったこともあって気になって手にしたところ、読み終えた今となっては実に作品の雰囲気を表現してる文章だと思いました。

試し読みとかで一話だけ見ても、この面白さは伝わらないかもしれないです。最初のころは、ほんわかした雰囲気で、味のあるセリフ使いだなぁ、くらいの感触くらいになるんじゃないでしょうか。

それでも読み進めていると、段々とミステリーっぽくなってきて、ほんわかしてるのに先が見たくなるような物語の謎が提示され、最終的には甘酸っぱいボーイミーツガールに着地する、というちょっと変わった流れだったりして、結局のところ上巻を読んでしまったら下巻まで読み終えずにはいられない面白さでした。

なんだかんだで魅力なのは、ほんわかしてるセリフ運びではないでしょうか。とか言いつつも一番笑ったのは、夏休みの絵日記ですけれど。一見矛盾した文章なんだけど、子供らしい表現で謎な言い回しになってる辺りとか。

ちなみに期間限定で、雑誌掲載バージョンがWebで読めるのですが、今は第三話しか読めないから、単行本で読了済の方向けのサービスといった感じですかね。ページ柱のあらすじとか人物紹介とかアオリとかが読めて、なかなか新鮮です。Kindle版で修正して収録してくれないかなぁ。

派手さはないんだけど、読んでて穏やかな気分になる作品ですね。短編集がそのうち出るみたいなので、早く作品がたまってくれればなぁ、と思う今日このごろでございます。
1 2 3 4... > >>
Home | PageTop | RSS2.0 | ATOM