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2012年02月06日

完全恋愛
完全恋愛

牧 薩次
マガジンハウス
単行本




他者にその存在さえ知られない犯罪を完全犯罪と呼ぶ

では

他者にその存在さえ知られない恋は完全恋愛と呼ばれるべきか?


ミステリー的で言うと、出題としては魅惑的なものの、人によっては不評に感じる部分がでるかも、と感じました。まぁ要所要所でちゃんと伏線があるからフェアではありますが。

個人的には、ミステリー単体として見るよりも、ミステリーと絡めた一人の男の人生記、として楽しく読了できた、という印象を持っています。

この作品はジャンルすら知らずに手にして目次も見なかったので、ミステリーなのかな?くらいの心境で読み進めていました。最近はテンポが速い作品ばかり読んでいたせいもあってか、本書はかなり進みが遅く感じました。しかも最初の事件が起こった後もゆっくりペースなのですが、昭和の絵画界も絡めた描写などが興味深く、そういう部分を味わいながら1ページずつゆっくり読み進めていけたのが良かったです。

ミステリーのトリック的には驚天動地なものはなかったんですが、全体的な作りに感心しました。主人公が愛を交わした相手が誰だったのかは想像がついてたんですが、誰が完全恋愛をなしえたのか、という部分までは考えてなかったので、うまくミスリードされたな、という想いとともに書籍を閉じれたのが、至福のひと時でした。

2012年02月05日

悪夢のドライブ
悪夢のドライブ

木下 半太
幻冬舎
単行本




悪夢シリーズ第三弾、こちらも他シリーズ作同様、一気に読み終えれました。他シリーズのキャラもちゃっかり出てきたりするんで、できればシリーズ順に読んだほうがより楽しめる感じですけれど、いきなり本作から読んでも問題ないつくりになってますので、気になったのから手にしてみてはどうでしょうか。

『悪夢のエレベーター』『悪夢の観覧車』などに比べると、スラップスティック色があがっている感じがします。大騒ぎにはなっているんだけど、読んでいてハラハラするというよりは、「こんなんどう収拾するんだよーっ?!」みたいなノリですね。しっかり伏線をはって、最後にきちんと回収するから、安心して楽しめます。

とはいえ、一つだけ気になった点が。有名な洋画のオチをけっこう名言してしまってるのです。タイトルまではっきり出してるから、未見の人には思いっきりネタばれでしかありません。かなり昔の有名作だからほとんどの人が見てるだろうし、という言い訳もあるかもしれませんが、少なくともうちの息子は確実に見てませんので、そういう考え方には同意しかねます。ゲームで言えば、某殺人事件の犯人の名前が大っぴらに流布されてる状況に近いのかもしれませんが、もう少しうまく処理できなかったか、と悔やまれます。

と文句は書きましたが、楽しく読めたのは事実です。読了して心の中に何か残る、といったタイプの作品ではありませんが、娯楽作というのは読み終えていたら時間が消費されているのに気づいた、みたいな感じでいいんじゃないでしょうか。お風呂の栓を抜いて、しばらく経ったら水がすべて抜けていた、みたいに読んでいる最中に時間を意識させずに夢中にさせてくれれば、それでいい気がします。

2012年01月29日

冷たい熱帯魚 [DVD]
冷たい熱帯魚 [DVD]

Happinet(SB)(D)
DVD
2011-08-02



性的な描写だけでなく、グロい描写がけっこう出てくるので、文句なしのR18+作品ではあるんですが、物凄いパワーを感じる作品なので多くの人に見てもらいたい気もします。ただ予告編みると大筋が分かってしまうので、できれば予告編は見ないで鑑賞した方がいいでしょう(グロ描写で後悔する可能性も高まりますが)。

やたら日時がテロップで出てきたり、冒頭でそれらしき事を英語で書いてあったのでもしやと思ってましたが、やはり実在の事件を元にしているようですね。その事実を知った後で作品内の設定を見直すと、あれだけ変わってると思ってた設定が実は事実をかなり忠実にアレンジしていると分かり、薄ら寒い気分になりました。

とにかくでんでん氏の怪演が圧巻。序盤から怪しさが出てましたが、飄々としながらとんでもない事を言いだした時の存在感が凄まじい。明らかに狂ってるんだけど、下手すると近所にいても分からない不気味さ。「吉田くん、達者でなー」と笑いながら死体を火に投げ込んだり、自分の妻と主人公をセックスさせたり、と印象に残るシーンは枚挙に暇がありません。

作品自体の感想、というには少しずれているかも知れませんが、こちらの文章が秀逸だったので、映画鑑賞後に一読するのをオススメしておきます。レクター博士とはまた違った、映画界の狂人がまた一人、ここに。
MAD探偵 7人の容疑者 [DVD]
MAD探偵 7人の容疑者 [DVD]

ケンメディア
DVD
2011-08-02



原題の『神探(Mad Detective)』を、こんな邦題にしてしまうか、と最初は思っていたんですが、見終えてしまった今では意外と作品のイメージにあってるかもしれません。タイトルを見たら「なんだこりゃ?」と感じるでしょうけれど、その印象を裏切らない怪作ですから。

主人公の探偵は、一風代わった捜査方法をとるのですが、その奇行の数々がインパクトがあります。特に冒頭の耳をプレゼントするシーンは、別人格のいない上司に対するプレゼントという意味だけでも相当キてますが、製作者側としてはゴッホがもし探偵になったら、という想いを込めていたらしいです。なんというか、もう、言葉が出ないというか、なんだかもう。

この作品の予告編は見てもかまわないでしょう。うまく作られてるので、実際に鑑賞しても衝撃度は薄まらないと思います。逆に言うと、あの奇妙さが予告編だと良く分からないので、予告編は見ずにいきなり本編見る方がいい気もします。あの予告編でこの怪作への興味を無くされては元も子もないですし。とか言いつつも動画はっておきますが。



別人格が見える、という設定自体はそんなに珍しくないのかもしれませんが、演出方法が実に大胆で独特です。食事が繰り返されるシーン、見えない妻との語らいのシーン、鏡に7人が映るシーン、おびえる子供に女性が入れ知恵をするシーン、はかなりインパクトがありました。

娯楽作としてまっとうな作りなのに、こんな変わった印象を持つ映画というのも凄いですね。『エル・トポ』を見たときくらいのインパクト、というと言いすぎかも知れませんが、珍しいもの好きな方はぜひ前知識無しで鑑賞すべきでしょう。


けっこう評判がよく、タイトルに惹かれたので手にしてみましたが、なかなかの佳作でした。血みどろ感がまったく無く、大きな物音でビックリさせるといった野暮な演出はほとんど無く、じわじわくる和製ホラーといった作品なんですが、数分おきにジャンルが細かく変わっていくような、不思議な趣もありました。

ホラーと知らずに手にしたらもっと困惑して面白かったんでしょうけれど、レンタルビデオは普通はジャンルごとに置いてあるから、幻惑効果は薄まってたかな、と思います。劇場で前知識なしに見てたほうがより楽しめたかもしれません。

見てて残念だったのが、和製映画でよくあるようなCGがあった場面でしょうか。いかにもCGって感じで、見てる方が作品世界から一歩俯瞰した位置に来てしまって冷めてしまう、あの感触は相変わらずイヤですね。このあたりは海外映画だとあまり感じることがないんで、感性の違いというよりは技術力の差なんでしょうか。あとラストの歌が明るめなんで、せっかくの余韻が台無し。

といった残念な点はあるんですが些細でしかないと思うので、細かい点はあまり気にせずに見たほうが楽しめる作品ではないでしょうか。
バイオハザード リベレーションズ
バイオハザード リベレーションズ

カプコン
Nintendo 3DS
2012-01-26



バイオ5が全然怖くなかったので結構心配だったんですが、実際に遊んでみたらそんな心配は杞憂でした。懐かしい初代のころの恐怖描写が復活しています。暗くて視界が悪く、弾数も少なめで、そろりそろりと進んでいくような、あの感じが戻ってきました。

ストーリー性のあるキャンペンモードは割と短く、自分は9時間くらいでクリアしてしまいました。バイオ1と比べると似たようなプレイ時間ですが、ボリュームが大幅アップしたバイオ4やバイオ5と比べると少なく感じるかもしれません。とはいえ、協力プレイもできるレイドモードなどといったやりこみ要素は多いんで、かなり長時間楽しめるんじゃないかと思います。レイドモードだとスキャンが無いので、テンポ良く進むのも魅力的ではないでしょうか。

ストーリーは、歴代のシリーズの中では凝ってる方かな、と感じました。腰を抜かすほど驚きはしないけど、適度にスパイスとして効果があったかと。海外ドラマを意識していると思われるんですが、1章が1週分の番組みたいな構成になってて、複数のドラマが平行して進行している感じがよく出てるので、単純に捜索範囲が広まっていくよりはのめりこめるようになってたんじゃないでしょうか。

3DSの中でもグラフィックはかなり頑張ってるかと思います。ハード的な制約を一部感じることもあるんですが、プレイ中のほとんどはそんな事は気になりませんでした。3D感ですが、デフォルトだと少し奥行きがあるかな?くらいなのですが、オプション設定を最高にするとかなり奥行き感が増すので、暗闇で3D最大でヘッドフォンでプレイすると、かなりの没入感が満喫できると思います。

シリーズファン全員にオススメできるかと言われると、人によって重きを置く部分が違ってくるのでなんともいえないと思いますが、ゲームとしての出来栄えはかなりのものなので、とりあえず実際にプレイしてみたほうが良いかと思います。
悪夢の観覧車 (幻冬舎文庫)
悪夢の観覧車 (幻冬舎文庫)

木下 半太
幻冬舎
文庫




『奈落のエレベーター』がなんだかんだで面白かったので、同じ作者のシリーズを手にしてみましたが、これも面白かったです。

物語の展開が早く、次から次にいろいろな事が起こるので、退屈する暇も無くあっという間に読み終えてしまいました。心に深く染み入る、といった按配ではないんですが、伏線をちりばめてしっかり回収、といった感じに娯楽性をとにかく追及した姿勢に感心しました。

いろいろなキャラクターが登場しますが、個人的に気に入ったのはやたら後ろ向きな女の子でしょうか。大人びているのか子供なのか微妙な按配なのが味ですね。

ネタばれになるんで深く何も言えないんですが、群像劇ミステリーがが好きな人は読んで損は無いと思います。

2012年01月22日





続編のあり方、という観点でふと思い出したので、かなり前に読了していたんですが今頃感想を書いてみます。つまりは細部を全然覚えていないという事になりますが、逆説的にはいまだに印象に残っていることにしぼって書きます。

かなり不謹慎な短編集です。ミステリーマニアがインターネット上で殺人推理ゲームの出題をしている、というだけならそこまでとは思えないでしょうけれど、出題前に実際に殺人を行ってから出題している、という点を知ってはいかがでしょうか。

とはいえ、そういう不謹慎さはあくまで作品内の話だから、と割り切って読めるのであれば、これは大変面白い思考ゲームの集まりとも言えます。どれもこれも変わった出題・回答が多く、それだけ見ても興味をそそられるものばかりでしょう。

一作目が実にユニークな終わり方をしたので、続編は無理だろうな、と思っていたのに続編が発売されたときは心底驚き、すぐさま手にしたのを覚えています。それくらい続編へつなぐのが困難だと思われたので。

二作目は作品自体のインパクトはさすがに初見である初代には及ばないものの、続編のあり方という点で驚きがありました。読了した後ならタイトルの2.0という意味が納得できるのもうまいですよね。

その上で三作目が出たので、さすがにもう食傷気味になるだろうと思ってすぐには手を出しませんでした。実際途中まで読んで、トリック的にも少しどうだろうか……とテンションが下がる思いでした。Web上での評価は前二作に比べると良くないみたいですが、読了した後では個人的にはそこまで悪くないかな、と思います。続編のあり方、という点をうまく処理した点において。

なかなかこういう続編の作り方というのは珍しいと思うので、上記の抽象的な表現で気になって、不謹慎さが気にならない方であれば、これ以上の前知識無しで手にしてみてはどうでしょうか。


映画『悪夢のエレベーター』(感想)の続編が小説で出てる、ということで手にしてみました。あれだけ綺麗に終わった後に、どう続編を持ってくるのか気になったので。

文字も大きめで200ページくらいと短めで、次から次にテンポよくいろいろな事が起こるんで、あっという間に読み終えてしまいました。とにかく読者を楽しませよう、という娯楽精神にあふれてるなぁ、と思って作者プロフィール見たら、コメディ・ミステリ系の劇団主催をされてる方で納得。

で、続編としてどうかというと、手放しに喜んでいいか微妙な気がしました。まずこの作品単体で読むのはつらいだろう、という点。あとは前作が綺麗に終わって、読者に想像の余地を残して終わったいたのに、本作によって想像したものが否定されることになった、という点ですね。続編を作ることの難しさを感じさせます。

とはいえ、無理やり続けて酷いことになった続編、というわけではまったくなく、続編としてうまく繋げたと思いますし、話も面白かったと思ってはいます。ゲーム『ペルソナ3フェス』に感じたほどのガッカリ感はなかったんですが、前作の結果が確定してしまった残念さだけがあった、といった想いだけがあります。

面白いことは面白いんですが、前作の終わり方で満足している方は、あえて読まないのも選択肢の一つと思います。でも気になって手にしてしまうでしょうけれど。

2012年01月21日

先日『ゼノブレイド』をクリアして寂しいなー、とツイートしたらまみりんがこんなツイートをしてました。

@mamirin_oniyome まみりん
良ゲーをクリアしてちょっと寂しい気分の夫。次また良ゲーに出会えた時はもっとリアルに寂しい思いをするだろうさ。

つまり、自宅で据え置き機ゲームやるんじゃなくて、出張先でも遊べる携帯機用のゲームしか買わない方がいい、って事なんだね(ゲームをやめるという発想がない)。

というわけでコレ買った言い訳にさせていただきます(ゼノブレイドよりも先に買ってるんじゃ?とか気づいても口にしないのが大人の優しさだと思います)。
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