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2012年01月22日





続編のあり方、という観点でふと思い出したので、かなり前に読了していたんですが今頃感想を書いてみます。つまりは細部を全然覚えていないという事になりますが、逆説的にはいまだに印象に残っていることにしぼって書きます。

かなり不謹慎な短編集です。ミステリーマニアがインターネット上で殺人推理ゲームの出題をしている、というだけならそこまでとは思えないでしょうけれど、出題前に実際に殺人を行ってから出題している、という点を知ってはいかがでしょうか。

とはいえ、そういう不謹慎さはあくまで作品内の話だから、と割り切って読めるのであれば、これは大変面白い思考ゲームの集まりとも言えます。どれもこれも変わった出題・回答が多く、それだけ見ても興味をそそられるものばかりでしょう。

一作目が実にユニークな終わり方をしたので、続編は無理だろうな、と思っていたのに続編が発売されたときは心底驚き、すぐさま手にしたのを覚えています。それくらい続編へつなぐのが困難だと思われたので。

二作目は作品自体のインパクトはさすがに初見である初代には及ばないものの、続編のあり方という点で驚きがありました。読了した後ならタイトルの2.0という意味が納得できるのもうまいですよね。

その上で三作目が出たので、さすがにもう食傷気味になるだろうと思ってすぐには手を出しませんでした。実際途中まで読んで、トリック的にも少しどうだろうか……とテンションが下がる思いでした。Web上での評価は前二作に比べると良くないみたいですが、読了した後では個人的にはそこまで悪くないかな、と思います。続編のあり方、という点をうまく処理した点において。

なかなかこういう続編の作り方というのは珍しいと思うので、上記の抽象的な表現で気になって、不謹慎さが気にならない方であれば、これ以上の前知識無しで手にしてみてはどうでしょうか。


映画『悪夢のエレベーター』(感想)の続編が小説で出てる、ということで手にしてみました。あれだけ綺麗に終わった後に、どう続編を持ってくるのか気になったので。

文字も大きめで200ページくらいと短めで、次から次にテンポよくいろいろな事が起こるんで、あっという間に読み終えてしまいました。とにかく読者を楽しませよう、という娯楽精神にあふれてるなぁ、と思って作者プロフィール見たら、コメディ・ミステリ系の劇団主催をされてる方で納得。

で、続編としてどうかというと、手放しに喜んでいいか微妙な気がしました。まずこの作品単体で読むのはつらいだろう、という点。あとは前作が綺麗に終わって、読者に想像の余地を残して終わったいたのに、本作によって想像したものが否定されることになった、という点ですね。続編を作ることの難しさを感じさせます。

とはいえ、無理やり続けて酷いことになった続編、というわけではまったくなく、続編としてうまく繋げたと思いますし、話も面白かったと思ってはいます。ゲーム『ペルソナ3フェス』に感じたほどのガッカリ感はなかったんですが、前作の結果が確定してしまった残念さだけがあった、といった想いだけがあります。

面白いことは面白いんですが、前作の終わり方で満足している方は、あえて読まないのも選択肢の一つと思います。でも気になって手にしてしまうでしょうけれど。

2012年01月21日

先日『ゼノブレイド』をクリアして寂しいなー、とツイートしたらまみりんがこんなツイートをしてました。

@mamirin_oniyome まみりん
良ゲーをクリアしてちょっと寂しい気分の夫。次また良ゲーに出会えた時はもっとリアルに寂しい思いをするだろうさ。

つまり、自宅で据え置き機ゲームやるんじゃなくて、出張先でも遊べる携帯機用のゲームしか買わない方がいい、って事なんだね(ゲームをやめるという発想がない)。

というわけでコレ買った言い訳にさせていただきます(ゼノブレイドよりも先に買ってるんじゃ?とか気づいても口にしないのが大人の優しさだと思います)。
新世界より 上
新世界より 上

貴志 祐介
講談社
単行本



新世界より 下
新世界より 下

貴志 祐介
講談社
単行本




呪力が存在している千年後の日本を舞台にしており、独自の習慣や生物がいろいろ登場してきます。序盤はそれらの説明などを踏まえて進むため、比較的スローペースかもしれませんが、個人的にはその独自性がユニークで退屈とは感じませんでした。逆に言えばここで丹念に世界観を表現しているから、作品にのめりこみ易いとも言えるかと思います。

ジャンルとしてはミステリーではなく、冒険小説でいいんでしょうか。もっと言ってしまえばSFなんですね。もっと言えば、とても良くできたディストピアSFです。呪力の存在ひとつで、ここまで社会が歪んでしまうのか、という有様をまざまざと見せつけられます。

けれど、最近はSFって名前をつけると敬遠されるから、SFという宣伝文句は使われないみたいですね(第29回日本SF大賞を受賞しているのはウリにならない世の中なのかな)。でもまぁそんな瑣末な事を気にせずに、とりあえず手にしてみたほうが損しないと思います。読みやすくて、面白いから!



とにかく圧巻。渾身の一作でしょう。けっこう血なまぐさい内容なので誰にでもオススメとは言いがたいんですが、このクオリティの高さを見逃したままなのはもったいないと思います。

鈍器になりそうな分厚さではありますが、かなりの面白さのあまり、出張中だと言うのに途中から一気に読んでしまいました。これはまとまって時間がある時に読み始めた方がいいでしょう。

2012年01月16日

悪夢のエレベーター [DVD]
悪夢のエレベーター [DVD]

Happinet(SB)(D)
DVD
2010-03-19



一時期はミステリー系映画ばかり見てて、傑作と言われるものは一通り鑑賞した気になっていて、これ以上は面白いものに出会うのが難しいな、とか思ってたんですが、まさかこれほどの作品を見逃していたとは! 自分の探す努力が大した事なかったと痛感した次第です。

題名からも想像がつくとおり、場所がエレベーターなので必然的に密室劇になるわけで、場面が変わらないからには相当面白さが無いとみてて退屈になるわけで、逆に言えば自信が無いと撮影しないだろうと思いはするものの、SAWやCUBEといった名作がすでに世にあり、最近密室劇系だとそこまで特出した作品に出会えてなかった、という個人的事情もあって、結果的にはそんなに期待しないで手にしました。

登場人物が変わっているし、冒頭の雰囲気からしてコメディ系ミステリーだろう、くらいに思っていたし、物語中盤くらいで「あらら、意外に面白くなかったかな?」と思いまでしたんですが、映画は最後まで見ないと分かりませんね。



構成の優れた作品は、一度見たら、また見直したくなりますね。ミステリー好きなら取り敢えず事前情報なしにぜひ見てもらいたい作品です。なお、小説だとなんと続編も出ているそうなので、こちらもチェックしてみようかと考えてるところです。

2012年01月15日

八日目の蝉 通常版 [DVD]
八日目の蝉 通常版 [DVD]

アミューズソフトエンタテインメント
DVD
2011-10-28



誘拐モノらしい、くらいの前知識しか無かったんで誘拐ミステリーだろうと勝手に思ってたんですが、実際に鑑賞してみたら人間ドラマものでした。

激動的なシーンはなく、淡々と人間の心のひだを描くような感じで、自分が若い時は楽しめなかっただろうな、と感じました。40歳にもなって、子供も2歳になってきた今見たから、共感するシーンが多くなるんだろうな、と。

赤ん坊がなかなか泣き止んでくれずに右往左往したり苛立ってしまったり、ヒステリックになってしまうシーンなどは見てられないくらいで、逆に言うととてもリアリティがありました。

途中でまみりんが「私もエンジェルホーム行ってみた〜い」だとか「ダーリンと離婚したらわたし無職だからあやたか取られちゃうの?」とか言ってくるし、あやたかは元気に部屋の中で遊んでいるから、これだけの名演技にも関わらず完全には作品に入り込めずにみてたんですが、終盤の別れのシーンは夫婦揃って涙ぐんでしまいました。

原作とはラストが違うらしいですが、映画版の「結局二人は出会えず、写真という接点だけが残った」というラストも渋くてよかったと思います。原作において、八日目まで生きた蝉がは何を見たのか、チェックしたくなりました。

2012年01月14日

痺れる
痺れる

沼田 まほかる
光文社
単行本




筆名から女性だろうか、くらいの気持ちで読み進めたんですが、どの短編も雰囲気が違っているものの、じめっとした感触があって、女性作家による作品なんだろうな、と実感しました。

驚愕の展開、という感じではなく全般的にゆるやかに話が進み、するりと話が終わっていく感じです。とは言ってもオチがないというわけではなく、雰囲気で読み進めさせてくれる趣ですね。

個人的に気に入ったのは「林檎曼荼羅」と「普通じゃない」でしょうか。ネタばれになるので詳細は省きますが、どちらも違う点で面白かった、とだけ記します。Web上の感想を見ていたら、自分と違う短編が気に入ったと書いてる人もおられて興味深かったです。

読了後にプロフィール見たら、僧侶や会社経営といった経歴があって驚きました。それらの経験が作品に深みを加えたのかは分からないですが、年齢を重ねた方ならではのものがあると感じました。派手さはないんですが、この作者の力量を感じ取れる短篇集だと思います。

2012年01月09日

Xenoblade ゼノブレイド(特典なし)
Xenoblade ゼノブレイド(特典なし)

任天堂
Nintendo Wii
2010-06-10



気にはなってました。『バテンカイトス(感想)』や『バテンカイトスII(感想)』のファンなので、モノリスソフトの新作と聞いて期待しないわけにはいきません。また、心に残るゲームベスト3というスレで、やたらゼノブレイドの名前が連発されてるのでここは実はゼノブレイドスレなのか?と期待はやたら膨らみました。

しかしここ数年は、出張ばかりで週末しか自宅に居ないことが殆どだったので、気にはなってたものの今まで手にしてませんでした。しかしたまたま年末年始は出張無くて二週間くらい自宅に居れる状況になったんで、思い切って手を出してみました。

そしたらもう、終いにはまみりんから「Wii捨てるか、私たち捨てるか、どっちか選べ!」って怒られるくらい遊んでしまいました。新年始まった早々ですが、今年これを超えるゲームをプレイできるのか心配で仕方がありません。こねこはミルクを飲んだら水は飲まなくなるんだぜ?

製作者自ら「今までのRPGで嫌な部分を極力取り除こうとした」と言われているだけあって、RPGでの嫌な常識がことごとく撤廃されてて快適です。多少気になる点も幾つかあるんですが、それでも満足感が凌駕して打ち消してる感じなのです。この充実度は只事ではありません。

個人的にシステム面で一番ビックリしたのが、死んでも特にペナルティが無く、すぐに直前からやり直しができる点です。凄いのがボス戦であっても再開地点から何事もなかったようにやり直しできるんで、今までありがちだった「ボス前に長いデモ見せられて、死んだらまたセーブ地点からデモ見なおすところからやり直し」って苦痛が無くなりました。有りそうで無かった快適さです。また、初見のデモであっても+ボタンで一気にスキップできるので、同じムービーを何度も見せられる苦痛がありません。

他に快適な点を挙げると、MMORPGみたいにシームレスに移動や戦闘が行える点です。やっぱりいちいちエンカウントが起こってロード発生して、って流れを寸断するような事が無いのはストレスが無くて良いですね。その上どこでもセーブできるし、一度訪れた場所は瞬時に移動できるんで、なんかやめどきを失ってズルズルとプレイしてしまいます。

ストーリーもかなり満足しました。二柱の巨神の上に成り立つ世界、という独特の世界観であるものの、わかりやすく王道な感じで入り込みやすいです。要所要所で意味深な伏線(と言うか分かりやすすぎて前置きといって良いほどの)があるんで、なんとなく先でどうなりそうか分かるかな、とか思ってたんですが、それでもヒネリがあったので中盤以降は先が気になって仕方がありませんでした。

プレイ前は正直「幾ら何でも『バテンカイトス』シリーズほどの衝撃度は期待できないだろう」と侮ってましたが、今回も驚きがありました。どっちが衝撃的だったかと言われると悩むくらいだし、そもそもムリに優劣付ける必要はないかな。面白かった!と素直に言いたい気分です。

未来視(ビジョン)という要素が、ストーリーだけでなくシステムに絡んできた部分も好印象です。ビジョンにより戦闘に緊張と戦略性が加味されていて、かなり面白いです。ジェムシステムでスキルを自由に付け替えできる点とあわせて、戦闘はかなり単純作業から開放されています。ただボタンを押しているだけ、という感覚はないですね。

と幾つも良い点があるんですが、個人的に一番良かった点を挙げるとすると、世界を冒険する感覚、これが何よりも素晴らしかった。背景と音楽の美しさもさることながら、本筋と離れたところに行っても何かしら発見や驚きがあるのが凄い。どこでもセーブが出来て、戦闘もシームレスなので結構ギリギリ逃げられるし、死んでもペナルティが無いから結構無茶な散策ができるので、歩いた軌跡が全く無駄にならないシステムということもあって、いつもはストーリー優先でRPG進める人間だというのに、けっこう寄り道してこの世界の隅々まで探検して、この世界の中にどっぷりとひたってしまいました。



クリアした後は少し寂しくなる、この感覚は名作ならではのものだと思います。プレイ前は少し懐疑的なところもあったんですが、クリアした今なら自信を持って言えます。RPG好きなら絶対プレイすべきゲームだ、と。Wii持ってないなら本体ごと購入してでもプレイすべきだ、と。

2012年01月01日

あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。

新年早々なんですが、昨年の話からはいらせていただきます。そう、その日は2011年12月25日。世間で12月25日といえばクリスマスだと思うんですが、我が家では年賀状投函締切日の意味合いの方が強かったのです。

まみりんに年賀状のデザインをしてもらう事になってるのに、かなり腰が重くて案の定締め切り当日になってしまいました。

「先生、なにとぞ一つお願いします……」とモミ手をしながら気難しい芸術家に依頼してるような気分になってきた。古い例えで言えば、青空のぼる先生にお願いする編集者みたいなイメージです*1

すると青空まみりん先生、コタツの中で「もうドラゴンボールのイラストでいいんじゃない?」とか言い出した。やばい。

「著作権的にそれは少し……そこを何とか先生っ……!」

「そんなディ●ニーじゃあるまいし、著作権、著作権って……あ、きた、ひらめいたよ!」

その邪悪な笑顔に不安を覚えなかったといえば嘘になります。というか不安しか無かったのですが、このまま年賀状を元旦すぎに届くような事態になるくらいなら、まみりんに賭けてみようと思ったのです。珍しくやる気になったみたいだし。

そして30分後。試しにプリントしてみたというので見せてもらいました。



黙ってまみりんを見てると、まみりんは笑顔で言うのでした。

「ほんの出来心だよ〜」

なので、俺も笑顔で言いました。

「作り直し」

そういうわけで、すごく無難にあやたか写真を使った年賀状に作り替えてもらったんですけれど、一枚だけはちょっと著作権的だけでなく新年的にもアレな年賀状が届くと思いますので、黒ひげ危機一発的な心境で受け取っていただければと思います。

何はともあれ、今年もよろしくお願いします。
  • 注1 : サルまんが分かる読者の方が少ないんでしょうか、最近は。イマイチ読者層が分からないんですが、サルまんくらいは紳士淑女の嗜みというスタンスで今後もブログを更新しきたい所存です。

2011年12月31日

今年は震災などがあって全国的に大変な年だったと思いますが、家庭内では特に大きな事件もなく穏やかに過ごせた気がします。自分の健康面で言えば、長年悩んでいた肩こりが回復の兆しを見せてきていて、今までは肩こっててめんどくさがって何をするのも億劫だったのに、今年は意外とゲームで遊んでましたね。

まぁ何よりも、息子のあやたかが明るく健やかに育っていて、それが一番いいことだと思います。おっぱいをのんのんしてるあやたかを見て、まみりんが目を細めて穏やかに微笑んでいます。

まみりんもあやたかの事が可愛くて仕方が無いんだろうなぁ、と思ってるとまみりんは菩薩のような表情のまま言いました。

「あやたかってさー、わたしのこと、ドリンクバーとでも思ってるのかな〜?」

えーと、皆さんよいお年を。
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